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司法修習の思い出 弁護士編

本欄は 司法修習の思い出 検察編  の続きです。

・弁護修習について
弁護修習は皆で集まっていた検察修習とうってかわって、各修習生ごとに別々に割り当てられた法律事務所に一定期間お邪魔することになり、事務所によって全然違う内容の修習を受けることになります。
許諾をとっていないので名前は挙げられないのですが、自分は柏の某法律事務所と松戸の某法律事務所の2か所に配属されそれぞれで指導を受けました。
この担当の先生がどちらの事務所でもすごい立派な情熱をもった先生で、まだ青二才で生意気であった自分にも丁寧に節してくれる人格者で、ああ弁護士ってすごいなと感動した記憶があります。そういう意味では、自分の修習はすべて指導者にめぐまれ、非常に幸運なものでした。

・大事な大事なお金の話
弁護士は裁判官や検察官と違って、自分で売り上げを立てて生活しますので、依頼者との報酬の交渉などの場にも立ち会います。ほかにも、ありがたいことに事務所のパートナーフィーの分担についての会議にも参加させてもらい(それぞれの弁護士ごとに事務所の経費の負担割合が違います)、どのくらいの期の先生がどのくらいの金額を事務所に納めているかや、事務所の運営費(家賃、事務員の給料)の大体についても知ることができました。
それまでは机の上で法律の勉強ばかりしていたため、この弁護修習で経営の大切さを知ることができ、個人事業主としての心構えも教えてもらったような気がします。
とくに印象的だったのが、報酬が非常に安く、受けるだけでは間違いなく赤字となる刑事の国選事件についての弁護士としての向き合い方を、それでも受けるべきかどうかについて真剣に話していただいた点です。そのテーマはよく弁護士同士でも話題になっているようで、先生毎に意見が異なるのも面白く、自分の人生そのものについても考えるよいきっかけとなりました。

・修習を終えて
修習は本当にたくさんの人と接する機会であり、10年以上経った今でも当時の記憶が鮮明に残っているくらい濃いものでした。これだけ充実していたのは、本当によい方々に恵まれたからで、人の善意というもののありがたさが身に染みる非常によい機会となりました。
今の自分があるのはたくさんの方に支えられてのものなので、このよい循環を残したく、今度は自分が少しでもほかの方の役に立つことができればと考えています。