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スポーツ中の事故について

・概要
悲しいことですが楽しんで行っているはずのスポーツでも事故が起きることはあり、時として回復困難な障害を負うことなどもあります。この場合、事故を起こした相手方に賠償を求めることができるかについて解説致します。

・原則論
スポーツ中の事故の特殊性として、ルールを適切に守って行った安全なブレーであるのに結果として事故が生じたという場合、その事故については、違法性もしくは注意義務違反・過失がないという評価を受けます。
事故で起きた損害の賠償を求める法的構成については、不法行為の損害賠償請求や安全配慮義務違反の損害賠償請求などがありうるのですが、これらの請求を行うためには、違法性や注意義務違反があったことを裁判の中で証明する必要があります。しかし、本来のルールを守った安全なプレーの中で起きた事故については違法性や注意義務違反がないという評価を受けるため、相手方に賠償を求めることができないのです。

・例外として請求できるケース
スポーツ中の事故がスポーツであることを理由として損害賠償が否定されるのは上記のとおりルールに従っていることが必要です。
他方で、反則となるような危険なラフプレーや、ルールー無視のプレーの場合、スポーツ中の事故であるからとして責任が免除されるわけではなく、この場合は当然賠償請求の対象になります。
ただ裁判例の中では、事例ごとに判断が分かれることが多く、例えばルールを守っていても非常に危険なプレーであるために賠償を肯定したケースもあれば、ルール違反を行っていても違反の程度が軽微であれば賠償を否定したケースなどがあります。
このように結論が分かれうるところは裁判官の感覚的なところも多分に影響すると思いますが、事故でお悩みの場合、類似の事案の裁判例などの調査を行うことも可能です。お困りの際は弁護士にご相談いただければと思います。