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保険会社による示談提示額の注意点

・前置き
交通事故で相手方の保険会社から示談の提案を受けることがよくあります。
この提案をそのまま受諾する前に、少し知っておいてもらいたい事情がありますので、紹介いたします。

・基本は相場の7割以下しか示さない
軽微な物損事故だけならまだしも、通常は相手の保険会社の示談提示金額は、裁判基準でいうと4割~7割程度に収まることが多いです。
相手の保険会社も営利企業ですから、少しでも支払金額を減らそうと正当な計算方法であるかのような資料を示しながら低い金額を提示してきます。
具体的には賠償金で一番金額が大きくなるのが人身損害部分の傷害慰謝料や後遺症慰謝料・後遺症逸失利益ですが、金額が一番大きくなるこの部分について相手の保険会社は相当値引きした金額を提示してくるケースが大半です。そのうえでこちらの言い分をちゃんと聞いているという態度を示すため、些細な金額にすぎない通院交通費や物損部分については満額請求を受け入れるという態度をとって、全体的にはきちんと誠意を示したかのような体裁で示談金額を提示します。
あくまで示談を受け入れるかどうかはこちらの判断なので詐欺とまではいえないのですが、そのまま示談提示額を鵜呑みにして受諾(免責証書作成)することは控えたほうが賢明です。
なお物損のみの軽微な事故の場合は、ごまかしようがないのでそのまま修理費相当額を満額支払ってくることもあります。この場合は提示額の妥当性について心配をしなくてもよいでしょう。

・弁護士に相談を
示談提示額が正当なものかどうかについては弁護士であればすぐにわかりますので、示談の提案がされた時はまずは弁護士に相談してみてください。
そのうえで、弁護士費用特約に加入していればそのまま弁護士を依頼して請求手続をしてもらうことをお勧めしますし、弁護士費用特約に加入していない場合でも費用を払って弁護士に依頼したほうが最終的に手取りが増える可能性も高いので、そのあたりは弁護士とよく相談して今後の進行について決めていただけたら幸いです。